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sugar-holic2

第5章 行方の知れない想い

「…あぁ、グアム行って日焼けしたって水着の跡見せられただけですよ?」

水着の跡!?

「人前じゃなく、隠れた場所でじっくり見せてもらえば良かったですか?」

意地悪な笑みを浮かべてそんな事言うから、つい歯向かいたくなって

「倉田くんのコミュニケーションの取り方がそういう事なら、好きにすれば?」

何でもない事のように、冷静を決め込んで見せる。

「可愛くないなぁ」

椅子ごと私の方に近付くと、机に伏せるくらい低い位置から私を見上げ

「私以外の跡なんか見ないで!!って言えばいいのに」

…っ!!そんな事…っ!!

赤くなった顔を見られたくなくて。

頬杖をついて、倉田くんから顔を反らした。

「おあいにく様。この夏は忙しくて水着にすらならなかったわ」

ぼやきに聞こえるように話す。

すると…

「本当だ。消えちゃいましたね」

倉田くんの指が、頬杖をついた私の手に伸びる。

「何が?」

つうっ…。

指先でブラウスの袖口を辿られた。

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