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ビタミン剤

第44章 エピテーゼ


5人で散々淫行に耽った蚊帳の中には今は
俺たち2人だけ

先に意識を手放した俺と、その後3人との行為で

喘がされたニノも俺と並んで眠りこんでたそうだ。



事後処理と身支度と布団類を整えてくれたのは
歳上の3人らしく、
先に目覚めたニノはまだ怠いからと薬だけ飲んで
俺の横で添い寝をしててくれたらしい。


「だって、せっかくのバースデーなのに
目覚めたときに潤くん1人にさせてるなんて
さみしいじゃん」

「…ニノ…ありがと…」


寂しがりやのニノらしい台詞
髪に額に眉毛に、くちびるでそっと触れられると胸の奥からじんわりと熱いものが込み上げてくる



智とのキスはすぐに淫らな本能を暴かれるものに なるけど、ニノとのキスは情愛に似た心地良さ



「おじさんたちは向こうでバーベキューしてるよ。目が覚めたらおいでって言われたけど
もう、少し潤くんと2人でいたいな」

「うん…俺も…」

蚊帳の中の閉鎖的空間は
時が止まってるかのようなひどく安心できる
心地良さ、手放した余韻にもゆっくりひたれる。

ニノと2人、お互いのぬくもりを享受し合える
このひと時が素直にうれしく思えた。







目を瞑ったままでいいからねって
ニノからの告白

2人でもぐり込んだ掛け布団の中の秘密


掌の中にそっと握らされたニノの部屋の鍵



蠱惑的な薄茶色の瞳のあまやかな誘惑


それを使うとき秘密の第三幕がはじまる





おわり

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