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ビタミン剤

第45章 残暑


廊下からリビングを鼻唄を歌いながら
モップがけをする。


「うん、だいぶすっきりしたよね。」


気が付くとシャツが水分を吸収して重たくなるほど

汗だくになってて
冷蔵庫から雅紀が作っててくれてる
水出しコーヒーを氷いっぱいのグラスの注いで喉を潤していく。

「んん〜っはぁ……美味しい…」




もう一杯飲もうと注いでると背後からフワリと抱きしめくる腕。
コーヒーの香りと雅紀のあまい香りが混ざって鼻腔をくすぐってくる。


「おはよ翔、掃除してくれてたんだね。
ありがとね」

「ん、おはよ雅紀っ…おなか…冷えてない?」

「大丈夫だよ、翔がバスタオルかけてて
くれたからね。ありがとう」

「んん…ふ…ぁダメっ…汗くさいから…」



肩口から首すじをくちびるで辿って
つたって落ちる汗を舐めたりされるから
汚いよって言ってもかまわずに
おとがいから頬にキスをしてくる

振り返ってくちびるをツンと突き出すと
やっとくちびるに触れてきてくれた。


ふれあってる間に下くちびるを甘噛みされてる。
お返しに舌で雅紀の上唇をれろって舐めると
くしゃと笑顔を見せて
こらって言われながら深くて濃厚なキスをされる。


雅紀から太陽を浴びた乾いた汗の香りがする
素肌にすがりつくように抱きつくと、力強く
抱きしめてくれた。



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