ビタミン剤
第45章 残暑
『俺は翔以外に誰かを愛するなんて有り得ないよ
生涯のパートナーとして
この先ずっと翔だけを愛するからね』
そう告白されたのは付き合って3年が過ぎた
去年の年末
手渡されたペアリングはいつも肌身離さず
持っている
弟さんが記入するだけでもって気を利かせて
俺たちの為に貰ってきてくれた証明書
雅紀のご両親は快く証人欄に氏名を記入して印鑑
まで押してくれたんだ。
雅紀の家族はホントに壁なんてなくっていつでも
すごくあったかく俺たちをウェルカムで迎えてくれる。
俺もちゃんと応えなきゃ
おもちゃの忘れ物はカゴに入れて
グラスと食器類は手早く洗って乾燥機へ
リビングはざっと掃除機をかけた。
ふだんからすっきり片付いてる雅紀の部屋
さほど時間はかからずに掃除を終えた
タオル類やシャツがこんもりとはいってる洗濯機を回して、
ついでに寝室も掃除機をかけようとすると
やっぱり鍵がかかってる。
「雅紀、鍵かけてくれてるんだ…」
日頃からこの部屋は翔と俺の2人だけしか
入れないからねって言ってくれてた
あのセリフはホントだったんだ。
面倒見が良くて事務所の後輩からも慕われてる
雅紀の部屋には、同僚や友人、後輩なんかも
よく遊びに来たりするけど、
その時もこの部屋だけは絶対に誰にも入らせない
よって言ってくれてた。