ビタミン剤
第45章 残暑
優しさ、気くばり、おもいやり
どんな仕事でも誠実に正確にやりこなして
笑顔はマジで最高に可愛くって、
ベッドの中では俺しか知らない妖艶な色香を
纏わせた様々な表情を見せてくれる。
俺にはホントに勿体無いくらいの恋人なんだ
翔のかけてくれたバスタオルのおかげで
お腹も冷やさなくてすんだし
料理だけが苦手?
ううん、違うんだっ
ほんとにやる気をだせば
翔ならすぐに料理だって上達するのはわかってる。
だから敢えてそうさせないようにしてたりする
せめて料理くらいは
翔より俺のほうが上手に出来るんだって思ってて
貰いたいってのが本音
つまり自分勝手な俺の自尊心
何事にも真摯に取り組む翔だから
俺なんかの為に料理の最中に、包丁できれいな
指先を傷つけたりしてほしくないしね。
翔の首すじから流れ落ちる汗
もし俺がなめくじに生まれ変わったとして
翔の乾いた汗の塩気で干からびて死ぬことに
なるなら
迷わず汗まみれの素肌にくっつく憤死を選ぶよ。
翔のしょっぱい汗も俺にとってはあまいあまい
蜜の味がするんだ。