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ビタミン剤

第2章 Cherry




確かに不器用で粗野な俺とは
比べもんにならないくらい、
寝室で繰り広げられる彼の舌技は
絶妙なツボをついてくる。
いったいどこで習った妙技とかさえ
おもわず訊きたくなる程。
極上のテクニックな技で俺を翻弄してくる。



だめだ
だめだめ!!
もう、マジで、お願いですから。
誰かもう止めさせて。


「今度の新コーナーで
これ企画にできんじゃね?」



こらこらー?!
相葉ちゃん、なにを言いだすのかな。
こんなテクニシャンなニノの技を
なんでわざわざテレビ画面を通して
全国ネットで晒さなきゃいけないのよ。



「いや、ちょっと地味だろ。」

「…そだね。」


松潤、智くん、ごもっともです。

うんうんですよね〜。

俺も、直ぐさま年の差コンビに賛同する。



「どうせならニノならトランプとか
のほうがすっげえ上手いしね。」


「そっかぁ。
でもニノの舌技のスゴさをね、全国の
皆さんに知ってもらいたかったなぁ。」


いやいやだからね
相葉ちゃんそういうお気遣いは無用なの。
もうお馬鹿な後頭部殴ってやりたい。



「バーカ、
誰がテレビでなんかしねえし、
んなことするかよ。
ほら、ゲーム返せよ。
こんなん練習するくらいなら、まともに
ウィンクできるように練習しろや。」



ほらほら、
スイッチングテクニシャンが
かわいい毒を吐きだすからね。


ニノのマグカップにコーヒーを注いで、
そっと差し出すと、素っ気ない態度で
受け取って薄い唇へと運ぶ。


「うわ、熱っ、アッチィ!!
舌ヤケドしたわぁ、だめだぁ。
こりゃ当分舌使えねえわ。」


「ニノ大丈夫?気をつけなよ。
翔ちゃん、
ニノは猫舌さんなんだから。」



「おいおい気をつけろよ。
歌唄えなくなってたら大変だろ。」


「ごっごめん、ニノ大丈夫?」


「あ、俺なんにでも効く軟骨が
確か持ってたかも。
手でも、顔でも、足でも
どの部分でも塗ってもイイヤツみたい。」


だからね
お馬鹿さんって言われるんだよ。
何処にでもってあなたの腕やら足やらに
塗りたくって使ってるヤツを
かわいい俺のニノの口の中なんかに
使えるかっていうの。



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