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ビタミン剤

第2章 Cherry





「ニノ〜俺がんばるからねぇ。」



抱きしめたい勢いを我慢するかわりに
精いっぱいの甘えた声で名前を呼んでおく。

楽屋へ戻ると無残なことに
さくらんぼはあとわずかを残すだけに
なっていて、
しかも競技種目はさくらんぼの
種飛ばし大会に変わっていた。


ガッツポーズの相葉ちゃんが飛ばした種が
勢いよく俺のでこに当たるのを見て

今日サイコーの笑顔で爆笑するニノ。



「ごめんね〜翔ちゃん。
でも今の新記録かも?」



「やっぱこれは相葉ちゃんでしょ。
ってかさぁ翔さん
でこに種がくっ付いてんじゃね?」



「アハハ、
おいらも翔ちゃんのこと的にしたら
新記録だせるかな?」




いやいや智くん、ほんと止めてよ。
俺全力で逃げるし、ガードするわ。



ゲーム機を手にしながらこっそり
俺を見つめてくる、ニノの口元を
みると
最後のさくらんぼが咥えてられてる。

微笑みながら
俺にだけこっそり見せてくれる
あの超絶なテクニック。




くっそお。
こうなったら、
ネットのお取り寄せサイトで
さくらんぼ爆買いしてやる。


毎晩毎晩
10秒チャレンジでもなんでもして
輪っか作って意地でも
最高なテクニックを身に付けてやる。
そんでもって俺のテクにめろめろに虜に
なってくれちゃう、
かわいいニノが居てるんだもん。



目指すぜ

おとこ、櫻井翔。

さくらんぼの軸で輪っか作り王!!


END

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