ビタミン剤
第9章 金色の雨
「ううん、めっちゃあまくて美味いよ、
もっと甘くてもいいかも。
雅紀こっちにおいで。
俺だけじゃなくて、雅紀だって今年もずっと
めちゃくちゃ頑張ってきてたでしょ。
だから、2人で飲もうね。」
翔ちゃんの腕が抱きしめてくれる
ずっとほしくてほしくてたまらなかった
翔ちゃんのくちびる。
黄金色したあまいキンショウを
口に含ませて俺のくちびるにやさしく
重なってくる。
しずかにゆっくり歯茎をなぞられて
芳醇な香りと甘い味が口腔内に広がる。
「…ん…ぁ…ふ…ぁんっん…」
2人分の熱が混じった味わいが
喉の奥を通過する頃には脈拍も
鼓動ももう、最高潮に達してきて
俺と翔ちゃん
2人とも
下半身が恥ずかしいくらい反応してきてる。
「…翔ちゃん…だあいすき。」
「雅紀、俺もだいすきだよ。
2人で飲むからこのカクテルの名前は
マサキンショウとかにしない?」
「んーとね、それなら
おめでたまキンショウとかがいいかな。」
「あはは、せっかくのカクテルが
色気の無い名前になっちゃうんだ。
けど、雅紀らしくていいかも。」
翔ちゃんのくちびるが頬、うなじ
首すじへとあまい香りの愛撫を
ほどこしてくれる。
俺の恋人はね
ナイショだけど、
ベッドの上では
めちゃくちゃ激しい腰づかいで
めちゃくちゃ感じさせてくれて
おもいっきり愛してくれる
金メダル級の技を持ってるんだもん
翔ちゃんと2人、キンショウの
あまい香りするゴールドに蕩ける
ような夜がはじまる。
おわり