ビタミン剤
第9章 金色の雨
「やったね。
この夏もお仕事いっぱい頑張ってた
翔ちゃんに、俺からのご褒美を
あげたいなぁって思ったんだ。」
「雅紀、めっちゃうれしいよ。
このカクテルには名前はついてるの?」
カクテルグラスにくちびるを
そっと付ける翔ちゃんの口許が
すっごく色っぽくて
ドキドキが止まんない。
カクテルの名前なんて思ってもみなかった
慌てて考えだすけど、どうしよう。
「えっと、えっとお
キンモクセイのお酒と、翔ちゃんと
同じ名前の焼酎を使って作ってる
からね、
うーんと、えーっとそうだ!
カクテル名は…そう!キンショウ。」
長時間の生番組、オリンピック番組、
もちろん俺たちのレギュラー番組も
コンサートに毎週ある報道番組
どんなに忙しくても、メール、ライン
電話は毎日細かく送ってくれて、声や
写メを届けてくれる
離れてても、俺のさみしさを少しでも
うめようと努力してくれるんだ。
俺の恋人の櫻井翔はまさしく金賞を
贈ってあげたい最高の恋人。
「だいすきな翔ちゃんに、
俺からの金メダルじゃないけど
キンショウを贈るね。
辛口のお酒が好きな翔ちゃんには
ちょっと甘過ぎかな?」