ビタミン剤
第10章 ハロウィンナイト
「イーヤーだっ!」
「ダメ?」
「ヤなもんは絶対にイヤだ!
そういう趣味ねぇしっ
他の誰か誘ってとっとと出かけてよ
どーぞ、ごゆっくり楽しんできてください。」
バタンッ!!
ガチャガチャガチャリ!
寝室の扉の鍵をかけて
完全引きこもり態勢を決め込む
あの手この手を使って俺を外に
連れ出したい恋人に対して
かなり冷たい仕打ちをしてやる
なぁにが悲しくて
せっかくの休みにたくさんの
人数が集まるパーティーなんぞ
それこそ俺ら見せ物でしょ
扉のノックにはヘッドホンで完全無視
仮に、仮にだよ、
百歩譲ってパーティーならまだ
打ち上げみたいなもんですから
あの人の誘いは
ハロウィンナイトパーティー
コスプレ好きな恋人を持つと
ホントにイヤになりますわ
「かぁーずぅーここ開けてよぉ、
一緒に行こうよお
すぐに帰るようにするからさぁ。」
どのくらい扉の前にいたのか
なんて知らない
ヘッドホン付けて爆音聴きながら
ゲームの世界に浸ってたし
5時間の引きこもり
うーんと伸びをして寝室の扉を
開けた時はもうすっかり日は暮れてた