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ビタミン剤

第13章 ぼくのペット

Sside



笑いをかみ殺しながらリビングで仔犬用のオヤツを
あげてうーんと甘やかしてやる。

リュックの中から取り出した犬用のブランケット
それは母犬の匂いがたっぷりと染み込んでるやつ。


そりゃあ
こんなのもってるヤツのほうが無条件に懐くに
決まってるでしょ。動物に嫌われる体質の潤の
為にって理由を説明して。
こっそりとブリーダーさんにお願いしてたもの。


けど、
それは潤と仔犬を仲良くさせる為じゃなくて
潤の本質を教え込むためのモノ。



そろそろかな
付き合いだしてもう何年め?
そろそろ俺たちの関係をしっかり認識させとかないとね。


ごめんよ、ワンコロ。
お前を利用するけど、ちゃんと責任もって
ステキな飼い主を見つけてやるからさ。



庇護欲を持つことは潤の中で
まだ満たされてない部分があるって事。


うーん
だけどさちょっと違うんだなぁ。
潤はそっち側にいられる種類の人間じゃない。
それにまだ本人は気付いていない。



潤の身体も心も脳内もすべて
俺だけでいっぱいに満たしてやりたい。
一日中俺を思って、日々俺だけを感じさせて
他のことに隙間なんて与えてやらない。
俺以外他になにも考えられないように 俺だけの
かわいい潤に造り変えてあげないと。



冷めたコーヒーを飲みながら
これからの1週間を念入りに計画を立てる
ことにする。


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