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ビタミン剤

第14章 day off




テーブルの上には美味そうに湯気があがる鍋焼きうどんが一つだけ。


「翔ちゃんもアツアツのうちに食べてね。」

「やったね、あれ、かずの分は?」

「俺は今あんまり腹減ってないから、あ、お出汁は関西風みたいだよ。」

へえ、おふくろのヤツ
少しは料理の幅広がってるのかな、料理に関してはかなり大胆で斬新、前衛的な思考持ってる人だから
学生時代の弁当も開けてみてびっくりなんかも少なくなかったし。


「うふ、翔ちゃんのお母さん料理にはかなり独特な考え方だよね。でも、今度教えてもらわないと櫻井家のおふくろの味をね。」

そう言うとニノが目の前で海相手にうどんを食べさせ始める。そりゃまだ赤ちゃんだし、世話してやって食べさせてやらないといけないけど

なんかさ、これだと俺のことは放ったらかし?


これって放置プレイだよな
ホントだったら休日の午後、今頃ニノと2人きり、あまーいムードでニノの美味しい手作りランチを
あーんとかしたりできてたかもしれないのに…

「海くんおいし、おいしだねぇ
おおきなお口でもぐもぐ上手だね。」


んま、んま、

「かーずぅー
俺もおいしおいししてよぉ〜1人で食べるのさみしいよぉ。」

熱々の鍋焼きうどんを前にニノに向かって甘えたみてもクスクス笑われるだけ

「おかしな翔おじちゃんでちゅねぇ
1人で食べれないなんて。海くんのほうがおりこうさんですねぇ。」

「イイもん、もう拗ねてやるっ
もう、うどんも食べないし!」


「あ、じゃあ蓋しててくださいね。あとで俺が食べちゃうんで」


うそだろぉ…
ニノの手料理を食べ損なっちまった


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