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ビタミン剤

第14章 day off



リビングの時計が正午を伝えてくる。

もうお昼だね、翔ちゃん冷蔵庫の中勝手に使っちゃってもいいかなってキッチンにいるニノの声



「あ、うどんがある、海くんうどんなら食べれるよね」

妹の育児ノートを見て見るとかわいいイラストなんかと一緒にびっしりと細かく海についての内容が記載がされてある。
俺も手帳にはかなり細かくびっしり書き込む方でこれが我が家のスタイルかもしれない。

「へえ、海のヤツうどん好きみたい。
柔らかく煮込んで細かく刻んだらめっちゃ食べるらしいよ。」

「うふふ、めっちゃ食べるって
なんか翔ちゃんみたいでかわいい。あ、エプロンどこだろ?」


えっとたしか…
うる覚えな記憶を頼りにあちこちの戸棚を開けてみるとおふくろが使ってたのが見つかった。


「あったあったはーい、かず。」

「ありがと、翔ちゃんここでは襲わないでよ。」


「うっ……はい」


裸エプロンにして、ひん剥いて散々な真似した俺にむかってやんわりとした口調の厭味。
いたづらっぽい視線からかわいくウィンクをしてから昼メシの仕度に取り掛かる。


「んま、まんま、マーマーっ」

「ママは出かけて居ねえよ!
海、オトコならかしこく待ってろ
今かずが美味いうどん作ってくれるからな!」

エプロン姿で鼻唄を唄いながら料理するニノ。
リビングでガキの面倒を見てる俺がいてて、

これってなんか、マジで夫婦みたいじゃね?

いや、実際も夫婦なんだけどさ。


ベビーチェアに座らせてスタイをビシッとつけてやった、黄色いゾウさんの描かれたヤツ。右手にスプーンを持たせたらもう食事ってわかってんのかガンガン茶碗を叩いてねだってきやがる。

ニノがふうふうしながらうどんを冷まして運んできてくれた。

「ほーら海くん美味しいうどんできたよぉ。
いっぱい食べようね。」

「マンマ、マンマ。」



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