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ビタミン剤

第17章 遺言

Sside


「やだ!…ぁん…智く…ぅも、やめッ!!」


もっと開放的に自由奔放になれたら

常々そう思ってる自分だっているけど
身に付いてる道徳観念、理性、倫理観、そんな物差しが邪魔をする。



それに、内心怖いんだ

何処ででもなんて許したり、どんなことでもって流されたりしちゃうと、
いつか俺に飽きた智くんが俺の元から去って
どっかの違う相手に行っちゃうんじゃないかって
もし、そんなときが来たら
このあさましい肉体をどう処理していいのかわからない。

今だって、智くんに逢えない日が続いたり、海外へ取材なんか出かけたときは
火照った肉体を持て余し気味にホテルの部屋で独り悶々となったりする事もあるから。


ずっと一緒になんていられるわけない

限りがあるから
2人でいられる瞬間が愛しくて、今がキラキラしてるんだって解ってるからたいせつにしたい。

だから終活で遺言なんて書類を書いてみた
もちろん宛先は家族用、メンバー用、
それと智くんだけに書いたもの


ふっ…んぐっ…んっ…んん




でも、そんなのどうだってよくなったきた


自分の吐き出したモノで青臭い味と匂いのする下着を無理やり口の中に詰め込まれて思考が麻痺してきてる。

こんなんじゃやだ智くんが欲しい

智くんの味、智くんの匂い
智くんの熱くて硬いモノ
智くんがイイ

肉体も、心も、思考もなにかもぜんぶヘタレで臆病な俺を智くんが引きずりだして暴いて支配して

指じゃなくて
はやく智くん自身を奥深くに埋め込んで欲しい

口の中の詰め込まれてびちゃびちゃになってる下着を吐き出して、素直な気持ちを言葉にする。

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