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ビタミン剤

第17章 遺言


そう…
できれば

御茶碗 、湯呑み、コーヒーカップ
お猪口なんかも良いかも

着色とか釉薬処理はしないで
智くんの手でこねこねしたまんまの素焼きで作ってくれると嬉しいです。
あと智くんのやさしい筆遣いでサクラの花とか描いてもらえるならサイコーかも。


智くんの指で、手で、掌で
俺に触れてくれる優しい指ざわりがだいすき

智くんの唇はね、
柔らかであたたかくってほんとに気持ちいいんだ

智くんが毎日使うモノになりたいな



これならカタチが変わったって
毎日触れてもらえて、握られて、撫でてもらって
くちびるで触れて、キスもしてもらえるでしょ?



夢の中だけなんてイヤ

触れてもらえないゴーストなんて物足りないし
見えるだけなんてもっと切ない

傲慢でも、エゴイストでも
俺は智くんとずっと一緒にいたいし
智くんのこと独占していたい


智くんに熱いもの注がれて
智くんに掻き混ぜられて
智くんの唇で優しく触れられて

智くんに俺の中身を飲み干してもらえる
智くんの掌に包み込んでもらえる

智くんに作ってもらって
智くんだけに触れてもらえる
智くん専用の愛用品になりたい

他の誰にもさわらせたりしないで

金タワシなんて使ってゴシゴシ洗わないでよ
ぬるめのお湯で智くんの指先でこしこし擦って
内側も丁寧に洗って、気持ち良くきれいにして肌触りの良い布でふきあげてください

たまに曇ってたりしたら、はあはあ優しく智くんの吐息を吹きかけながらきれいにしてほしいな


たとえ死んだって離さないで
智くんは俺だけの恋人




遺言者 櫻井 翔 こと 恋文の翔より


END

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