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ビタミン剤

第17章 遺言


遺言書

大野智様

これを読んでる時はもう俺の心臓は停まってて、今頃はお通夜かな、それとも葬式?


先立つ不幸をどうか許してください
間違っても俺の後を追って来たりとか馬鹿な真似はしないでください。


智くんのこと天国で見守って…る訳ないでしょ!!


とりあえずまだ行ってない世界遺産巡りとかしたいし、あと、意地悪してきたヤツらや、バカにしてたヤツらにも色々と仕返ししに行きたいし。


天国でのんびり過ごしてるヒマなんてないもん

俺が泣きながら三途の川岸で智くんのことじっと待ってるとか考えたりしないでよ。
智くんのペースでゆっくり来てくれたらいいからね

恋人は……つくって
すっごくすっごくイヤだけど……許そう
仕方ないよね
智くんは寂しがりやだもん




その代わりひとつだけ
俺のわがままを聞いてください

焼いた俺の骨を智くんに分骨してくださいって家族にもお願いしています。

その骨を粉々に砕いて、細かく細かく粉砕して粘土と一緒に智くんの手でうんとたくさんこねこねしてほしいです。


智くんの手で
俺の真っ白な遺灰を使って陶器の作品を作ってもらいたいな。



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