ビタミン剤
第20章 ウブじゃないアナタ
「俺、翔くんの顔にも飛ばしたりして…ごめん」
「んふ、平気」
やわからく微笑む顔
せがむように俺にむかって伸ばされる両腕。
ティッシュを握りしめたままで翔くんの
リクエストに応えて抱きしめてあげる。
汗と、体液が2人の体温で熱を帯びながら
どろとろに混ざり合ってる。
顔に飛び散ってるモノを指で掬うようにして
口許へ運んでは舌を絡めて味わう表情は
煽情的過ぎて目を奪われてしまう。
「潤の味、好きだもん。
今夜も濃厚なテイストだね。」
「んなもん、舐めないでいいのに」
「なんで?
潤が俺とのエッチで最高に気持ちよくなって
くれた証しだよ?」
「まあ、そうだけど…」
熱を伝え合いながら
離れがたい気持ちが大きくて
汚れたままで翔くんを横たえて腕枕をして
ぐっと抱き寄せる。
「潤の遺伝子情報の全部が詰まった大切な
潤の素だもん。
うーんとね、たしか…
一度で1億くらいの精子の数だったかな?」
「マジなの?すっげえ量」
「俺の身体の中に顔にも濃厚な潤の素で
いっぱいになれてしあわせ。
だって潤の素で、
潤に似たカッコイイ子がうじゃうじゃと
できちゃうかもしれないんだよ?」
翔くんの悪戯っぽい眸が見つめてくる。
翔くん1人に対して俺みたいなヤツが
うじゃうじゃとか、
あり得ねえし考えたくもないや。