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ビタミン剤

第20章 ウブじゃないアナタ



「そんなにって気持ち悪いだけだよ。
んなもん誰も欲しがらないって。」


「そうかな?
潤のファンなら泣いて喜ぶしきっと欲しがるよ。

でも、絶対にあげない。
たとえ小指の爪の先でも、
潤の素はほんの一滴分くらいだって誰にも
あげませーん、潤のはぜーんぶ俺のだもん。」


「あのさ…翔くん。
俺のこと怒ってないの?
あんな風に強引な体位で抱いて
酷いことしたとか、無理強いしたとかって」


髪を擦り付けるようにしながら翔くんが
目を見て微笑んでくれる。

「んな事思ってたらとっくに別れてるよ。
ってか、普段から強引だし無茶するじゃん
俺だってほんとに嫌なら全力で拒否するし、
潤が好きだから
潤が望んでくれるなら俺も同じだけ望みたいし
応えたいって思うよ」


悠然と微笑みながら
ガシッと力強く抱きついてきてくれる。
翔くんは、かわいいのに恰好良くてやっぱり
俺なんかよりずっとずっと潔くて男らしい。


こんなにも魅力的な人だから
他人を寄せ付けるし、
男女関係なく惹きつけられるんだろう。

今の俺が追付ける訳がなくて
今以上に離されないように必死で踠いて
みっともなくても足掻いてかなきゃ。



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