ビタミン剤
第21章 ドロップ
「お、珍しいじゃん?」
読んでた新聞をテーブルに置いて
俺の手からドロップ缶をとってまじまじと
眺めながら裏の表記までじっくり読み出す
「ひとつどーぞ。」
「いやいや、俺は…」
「そんなこと言わずに、ね?」
翔さんにはあかい色したドロップ。
また新聞を広げて
口の中でころころしてたかと思ったら
いきなりがりがり噛み砕いちゃった
あーあ、乱暴さんなんだから
難しい顔した潤くんは
項垂れてため息ばっかりついてて
さっきの収録で言い間違えたこと気にしてるみたい
「はい、どーぞ。」
「いらねぇし…」
ぴんく色のドロップをくちびるに
おしつけたげると
難しい顔から少し泣きそうな顔になるから
慌てて恋人の翔さんに後をお願いして
楽屋を出てきた
きっとぴんく色のドロップが2人に
うんとあまいキスの味をつくってくれる
へへ、俺って案外メンバー想いなのよ