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ビタミン剤

第21章 ドロップ



「どうする?ニノ。
舐めたい?それとも舐めたくない?」

さっきまで眠たそうな顔だったのに
こんなきらきらした瞳させてズルい

じんわりと紅く染まってる頬
大野さんの目の前で黙ったまんま
お口を大きくひらいてみせると

笑いながらあーんって言って俺の
舌の上にあおいろのドロップをのっけてくれた。


魔法のドロップの味はとろける甘さ。

カランカランカランって
缶をふりながら、右手でしっかりと
俺の左手を繋いでくれてる


「はやく、舐めな
そいで、おいらのこともっと好きになりな」

「ん…噛んじゃダメ?」

「ダメダメ。
れろれろくちゅくちゅ舐めんのが
練習になるんだからさ。
この缶の中身全部舐め終わったらご褒美に
ドロップよりももっと美味いの、ニノに
舐めさせてやるよ?」

「じゃあ大野さんも舐めるの手伝ってよ
ドロップより美味しいの
俺もはやく舐めてみたいもん」

「よっしゃぁ!」




今日の嵐の楽屋ではメンバーのお口に
やたらとドロップが放り込まれてました。
全員舐めとけっだって
スイーツ部長の命令だからね

あーあ、

仕事が終わる頃には缶を振っても
ドロップの音がしなくなっちゃった。


「さ、俺んちに帰るぞ。」

振り返る大野さんの笑顔が
いつもよりももっとカッコよく見えて

あおいろのドロップが効いてきたみたい

だって胸の鼓動が


ドキドキ、ドキドキから
すきすき、すきすきに
かわってきちゃってる


俺の手をぎゅっと繋いでくれるのは
ドロップの缶の魔法使い



おわり

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