テキストサイズ

ビタミン剤

第23章 ホットミルク



別れ話はもうずいぶん前から出てる

だけど切れそうで切れなくって
ずるずるとだらだら続いてて

一般論や正論を振りかざして言い募る彼女

踏ん切りの悪さに自分に嫌気がさす





もしもし、潤?どうした?

…翔くん…眠れない…

ん、わかった。待ってろよ

…うん





今更、彼に甘えるなんて
ずいぶん都合良く使えるよな

自分勝手だって自覚はしてる
地獄に堕ちてく覚悟も



『ん、わかった。待ってろよ』



彼の言葉を鼓膜で反芻させながら
ソファに横たわって瞼を閉じて

俺は、あの日に想いを廻らせた



ストーリーメニュー

TOPTOPへ