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ビタミン剤

第25章 a mole tunnel

Tside

「あ、潤?今から?ごめん、今夜はムリなんだ。
まだ打ち合わせがあるから
うん、うん、いいよ。じゃあ今度な。
わかった。ほんとごめんな。」


シャワーの水音が止まった。



都内の某ホテル
窓から見下ろす景色はきらびやかで
まばゆい光が揺れている。

濡れた髪をタオルで拭きながらベッドに
腰かける相手は、俺が今夜抱かれる人。




「翔くん、髪乾かしなよ。
でないとまた風邪ひいて熱出ちゃうよ」

「面倒くせえ、ん?電話だったのか?」

「あ、うん…潤からね。
今から一緒に飲まないかって。
でも、今夜は打ち合わせあるからって、
また今度にしてって言ったんだ。」

「打ち合わせねぇ…今からでも行ってやれよ。
俺は別にいいぜ。潤もさみしいんだろ。」

「ひっど…
やっと翔くんに時間つくってもらったのに
いじわる言わないでよ。」

「だったら
さっさとシャワー浴びて来いよ
それとも、服着たままでしてほしいって
誘ってんのか?」


艶やかな黒髪から 滴り落ちる雫。

バスローブを着た腕が伸びてきて抱き寄せてくる。
アイドルらしからぬ歪んだ笑みを
浮かべる翔くんに魅せられて
強く引き寄せられながらくちびるを重ねた。



交換条件


松本潤
親友の私生活の情報を逐一細かく伝える事

代わりにその報酬として
今夜も大好きな翔くんに抱いてもらう。


これはモグラの戀



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