ビタミン剤
第26章 ルール ver.1
Oside 座る
テーブルいっぱいのご馳走にシャンパン、ワイン
にケーキまで。
翔ちゃんの為に松潤が腕によりをかけて
作ったんだろうなぁ
健気な愛を感じるぜ
俺に寄り添う翔ちゃんに片想いだったのは
ずっと気付いてたけど…
恋愛なんて出し抜いたもん勝ち
先手必勝だから。
グラスにシャンパンが注がれる
バースデーパーティの始まりの挨拶って
リーダーって指名されるけど
やっぱこういうのは苦手。
翔ちゃんの専門分野で得意分野だけど
今夜は主人公だからね
しゃーねぇなぁ…
「おいっす。
今夜は翔ちゃんのバースデーパーティ
おめっとさーん、みんなで楽しもうぜぇい
カンパーイッッ!」
シャンパングラスのぶつかる音
口々におめでとうって言ってあげながら
ソファに腰を降ろそうとする翔ちゃんの
手を掴んで
コートを脱ごうねって囁く。
「……智くん…今、脱ぐの?」
小さく首を振ってやだって意思表示するところが
食べちゃいたいくらいにかわいい。
「はーい、注目ーーっ!
主役の翔ちゃんが今夜のパーティの衣装を
見せちゃうからねぇー。」
「やったぁー」
「待ってました。」
「翔くん、はやく脱いで見せてよっ」
半ば強引にボタン外して脱がせて松潤に
コートを手渡す。
3人ともあんぐりと大きく開ききった口。
誰からも言葉が発せられないまま
しばらく沈黙が続いててた。