ビタミン剤
第26章 ルール ver.1
Aside 震える
抱っこしたままリビングに連れて来てあげて
ゆっくりソファに下ろしてあげた。
部屋を見渡す翔ちゃんから歓声があがって
すっごくうれしそうに微笑みながら
ぎゅーって、抱きついてきてくれる。
「ありがとう、雅紀っ
すっごく素敵な部屋にしてくれて!
忙しいのにこんなに準備までしてくれたら
どうしよ、嬉しくって泣きそう…」
「うそ、ダメだよっ!翔ちゃん
俺がみんなから怒られちゃうもん
ハッピーバースデーなパーティだよ?
だから翔ちゃんは可愛く笑ってて、ね?」
「…ぁ…雅紀…ん…うん…」
なんか今夜の翔ちゃんは
乙女モード全開で、ヤバいよこれ。
それに、どうしたんだろ?
すこしふるえてるのかな?
「翔ちゃん寒いの?」
「ううん、大丈夫だよ。」
「そう?だったらコート脱ごっか?
せっかくの高そうなやつだし、シワに
なっちゃうよ」
「や、やだっ…このままでいいの。
お願い、雅紀っ…ぎゅーってしてて…」
なぁんて言ってしがみつきながら
甘えてくれるんだよ?
俺なんかでよければ
ずっとこのまま抱きしめててあげたいっ!
でもすぐ部屋に入って来たニノに後頭部を
おもいっきり引っ叩かれて
しぶしぶ引き離された。
そしたら翔ちゃんは
すぐにリーダーにしがみ付いちゃった。
あーあ、そりゃそうだよね
こういう役割りは恋人なんだよね。