ビタミン剤
第27章 春夏秋冬
割り下の甘辛い香り
すき焼き鍋からはぐつぐつと美味そうな
湯気の上がってる。
「いただきまーす」
「いただきます」
乾杯して旨そうにビールを煽る潤。
嬉しそうにお肉に箸を伸ばして、とき卵の器に入れていく。
はふはふ息を吹きかけながら頬張って
食べる無邪気な潤の顔がすっごくかわいい。
「智、どうかしたの?
さっきから麩しか食べてないよ。」
「ん?ううん食べてるよ。
このふにゃふにゃな食感好きなの」
鍋料理だと
野菜はシャキシャキよりも
くたくたになるまで煮込んで食べるほうが
好きなほうだし。
今夜はお肉も少し高めの奮発してて、ネギも高めの
下仁田ネギ。
この下仁田ネギは煮込む程に甘みが増す。
ネギの芯の部分?の中味がとろりとしてて
そこを冷ましてから
ゆっくり食べるのが好きだったりする。