ビタミン剤
第27章 春夏秋冬
すき焼き鍋から天井に上がる湯気を見ながら
潤がつぶやく。
「そろそろ、
あの照明も設置しないと
せっかく買ったのに勿体無いよね。」
「ふふ、ビックリしたよ。
俺の誕生日プレゼントの話でこの照明のこと
話しだすんだもん。」
「相葉くんがさ、翔さんにプライベートの
スケジュールとかも
ぜんぶ知られてるとか大胆なこと言い出すから。
たまには俺らも惚気てみようかなぁってね。」
「たまには…イイのかな」
あの2人は一緒に暮らはじめてもうずいぶんになる。
仕事もプライベートもみっちり翔くんに
管理されまくってるくせに
今更、惚気みたいな事言い出すからねって
湯気の向こうで微笑む潤。
すれ違いが多い、忙しい2人が
上手くいってるのは翔ちゃんの完璧なまでの
スケジュール調整のおかげかもしれない。
短い時間でもなるべく2人で過ごせるように
きっちりスケジュール管理して
地方ロケが多い相葉ちゃんに合わせるように
翔旅行ロケとかに番組企画を変更してみたり。
涙ぐましい努力をしてる翔ちゃん。
それに比べて
俺は…
どこまでいってもマイペースにしか物事に
取り組めない性質
さっきの夕飯の仕度にしたってそうだ。