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ビタミン剤

第27章 春夏秋冬


「ごめん、勝手な事して。
智がさ、卒業式のときに制服のボタン、
誰からも貰われなかったって言ってたよね?
それが嬉しかったんだ、だから…」

「えっ?なんで潤が…嬉しいの」

「だって、俺の知らない卒業式の淡い
想い出とかあったり、誰かが智のボタンを
まだ大切に持ってたりするのが嫌だから。
智からボタンをもらうのも、
智のボタン外せるの俺だけにしてほしくて。」




俺の卒業式の苦い想い出を
潤が愛しい記憶に上書きしてくれる。

「黙って外してごめんね。」

「ううん、潤がそんな風に思ってて
くれてたのうれしい」



潤の腕の中、すき焼き風味のキスは
甘辛い舌同士が絡み合う。

じゃあついでに告白しちゃうよってゆっくりと
ソファに座らせて抱き寄せてくれた、


「俺ね、智と一緒にいると
ずっとこうしてたいって思ってる。
そばにいて離れたくなくて
出来ることなら重なり合いたいし
帰ってきたら、直ぐにでも智と繋がりたいって
思ったりしてるんだ。」

「………潤」

少し頬が赤く染まってる潤の両手が
俺の右手を優しく
潤の下腹部の中心へと導いてって
昂まり始めてることを指先に伝えてくる。


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