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ビタミン剤

第5章 夏まつり



「さてと、
お兄ちゃんは浴衣自分で着れるでしょ。
こっちはお化粧から始めるから
邪魔しないようにあっちへ
いっててよね。」


「ええええ?うそーん!
俺もかずの可愛く変身するの
見たいよぉ。」


「うるさいわよ。
お兄ちゃん、わがまま言ってると
あたし帰るから。」


「そうだ、そうだ、出てけ出てけ。」


「ちぇっ、わかったよ。
分かりましたよぉ」


「あ、そうだ!
私が呼ぶまでこっちには立ち入り
禁止だからね。
じゃあ、ニノくん準備するね。
ホントごめんね。
お馬鹿なお兄ちゃんの
わがままに付き合わせちゃって。」


「こっちこそ
俺らのくだらない遊びなんかに
舞ちゃんの時間まで使わせてごめんね。」


「うふふ
ニノくんにも会いたかったし
実はぁ、お兄ちゃんに
破格の報酬も約束させたしね。」


「やっぱりかーいっ!
世の中そういうもんだよね。」


2人の女子会みたいな楽しげな会話を
背中に聞きながら
俺はすごすごと書斎へ向かった。



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