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ビタミン剤

第30章 ムテキのヒーロー


Sside


大きなボリュームの音楽と共に現れたのは
小さな頃、大好きだったあのヒーロー

鮮やかブルーの衣装は
どこまでも澄み渡る青空みたいで
小さい頃はいつか自分もホントになれるって信じてた。

チェンジペガサス
幼い頃の憧れだったヒーロー

底抜けに明るくって
みんなからの人気者で、たっくさん食べる
食いしん坊さん
夢はトンカツ屋さんを開く事
どこまでも高く舞い上がるカッコイイヒーローに
心から憧れてた。


チビだった俺も
いつか大きくなってチェンジペガサス
みたいにおおぞらへ飛び上がりたいって
いっつも思ってたんだ。






小さな頃、俺が泣き虫にもどるのは
夜、おやすみなさいをして部屋に入ってから。


一人ぼっちのベットの上
布団の中にもぐりこんで手足を縮めて丸まって
宝物だったチェンジペガサスの人形を
抱きしめて泣きながら眠りについてた。

夢の中でだいすきなチェンジペガサスに
助けてもらって
励ましてもらって
笑わせてもらって

たくさんたくさん勇気をもらってたんだ。




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