ビタミン剤
第33章 花浜匙(躑躅色)
「ねえ、ニノ飲みに行かない?」
「はあ、いいけど
えっと…でも、今夜のわたし持ち合わせがあまり…」
「クスっ誘ってんだから俺が出すよ
ってか、出す気なんて無いんだよね?」
「クスクスッばれちゃいましたぁ」
タクシーを乗り合わせて
潤くんの予約してくれてたお店は
雰囲気のある落ち着いた内装のお店の個室
「今日は、ありがとうね。
グループの決まり事を作りたいって質問でさ、
俺が2か月に1度くらいメンバーだけで
食事会したいって言った時
ニノだけマルの札上げてくれてさ」
ビールで乾杯して
おまかせコースの前菜を箸でつつきながら
会話をしてると
丁寧に頭を下げてくるから笑い飛ばしてあげた。
「そんな他人行儀な御礼なんていらないよ
みんなだって面白がってバツの札上げた
だけですからね。
ほら、ちゃんとグループメールの方に翔さんから
行ける日にちだよってもう連絡はいって来てるし。」
「そうだね
けど、やっぱり雅紀からは…返信がないや」