ビタミン剤
第33章 花浜匙(躑躅色)
「あ、来たみたい」
ようやく相葉さんから届いたグループLINEの返事
『俺はね、この日とこの日だったら
行けるからねぇ
潤ちゃーん美味しいお店教えてもらえるの
楽しみにしてるね』
『あ、今ね
風間と仲良く飯食ってまーす』
添付されてきた写真は
相葉さんと風間が2人仲良く
くっ付いてお肉のプレートをもってる写メ。
それを見つめる潤くんの
目許は優しく微笑んではいるけど
噛み締めてる口元には切なさが滲んでる。
グラスいっぱいにビールを注いであげると
一気に飲み干して、
そこからはワインに、日本酒、焼酎とかを
ぐいぐいかなりなハイペースで飲み続けるから
いい加減ストップさせないとって思いだした。
「ニノぉもっとぉ呑もうぉよぉ」
「いやいや、呑んでますって
それよりも潤くんそろそろお店出よっか?」
「なんれぇらよぉー
まぁーらぁー呑むのぉ〜」
呂律がまわらなくなって舌足らずな口調
いろんな人から漏れ聞く、
潤くんのしつこく絡んできてなかなか
帰らせてもらえないってこのことなんだ。
「明日あるんでしょ。取材?撮影だっけ?」
「………行きたくなぁーいのぉ
らってぇ…らってぇ…雅紀とらもぉん」