ビタミン剤
第34章 SSZ
「これ、絶対に翔ちゃん喜んでくれるね?
サクライショウだぜぇぃ!でしょでしょ!」
ああ、この天然な無邪気さを今日ほど
殴り飛ばしたくなったことはないかも
俺が選んだって言いたかったけど
…仕方ないよね。
でも、雅紀だってこれがいいって
選んでくれたんだから
きっと翔くんに似合うし、気に入ってくれる筈。
ニノには長袖のシャツ
リーダーには釣りの時着ていけそうなパーカー
俺らはそれぞれ黄色のキャップ、デニム素材の
帽子を選んだんだ。
「あ、明日潤ちゃんから渡しといてね〜
俺はニノちゃんと、リーダーに渡しとくからさ」
「はいはい、じゃあね」
明日翔くんと2人の雑誌記事の撮影。
それが始まる前に手渡すことにした。