ビタミン剤
第35章 縁結びの神さま
「…ん…ぐるじぃ…ょ」
「これはバツなの!おいらの翔ちゃんでしょ!?
なんで後輩なんかに優しくするかなっ!
おにぎりとか配ったりしたらまた翔ちゃんのこと
好きになるヤツらが増えるだけなのにっ
わるい子にはこうしてやるっ」
んんっ……んふっ…んンッ…はっぁ
酸欠になりそうなくらいくちびるが塞がれたまま
ソファで押し倒されて
激しく口腔をむさぼられる。
すこし乱暴だけど、くっ付けてくれる温もりが
あったかくて涙が溢れ落ちていく。
「さとし…くん…さと…んぁ…く…」
「さっき晩飯作ってて、我ながら上手く味付け
できたなあってニヤニヤしてたらさ、やたら
メール入ってきたんだよ。
スイーツと酒の差し入れ美味かったっすとさ
それは知ってたから良かったんだけど…
櫻井さんのおにぎりマジでパワーでましたって
はあ?何それ?だよっ
思わず小瀧に電話して聞いたんだから!!」
普段、感情を乱すことがあまり無い智くん
でもたまに、ものすごく感情がおもてに現れて
まるで原色のオーラを纏ってるみたいな
ニノ曰く
かわいい恋人?の
俺のことを想うあまりの男の激しい嫉妬心が
剥き出しになってるだけですよって
言ってたりするんだけど…
「スポンサーさんが…
何時でも声かけてくださいねって言って
くれたから。
だから後半におにぎりの差し入れって考えて…」