ビタミン剤
第36章 続 縁結びの神さま
扉のむこうから聞こえてくる智くーんって
呼びかけにも無視してやった。
とぼとぼとリビングに向かう足音が小さくなって
消えてく。
ダイニングテーブルには
晩飯のおかずが並べてあるし、御飯だって
炊き上がって保温状態。
食いしん坊の翔ちゃんは1人で食べるかな?
マジでさっきまでは怒ってなかったんだ。
明日は翔ちゃんも休みだし、2人で一緒に呑みたいからはやく帰るねってLINEが来たときは
上機嫌で直ぐに待ってるよって返信した。
向かい合って2人仲良く食べる時間をおいらも
楽しみにしてたのに…
後輩のヤツらからあんなメールが届きだしたて
マジで苛ついた。
差し入れ美味しかったです
マジで愛情いっぱいでパワーでましたっ!
帰りに絶対に買って帰ります!
櫻井さん、惚れてまいそうになりました!
櫻井さん、いや嵐兄さん達に
一生ついていきますっ!
嵐からの酒とスイーツの差し入れは知ってた。
けど、なんだこれ?
櫻井さんに惚れてまう?
愛情いっぱい?!
湧き出す怒りの感情をどうにか抑えながら
小瀧に電話してら
翔ちゃんがCMの商品を使って手作りした
たくさんのおにぎりを差し入れしたって話。
電話の向こうの小瀧にさえ嫉妬で怒鳴りつけ
そうになったんだ。
なんとかギリギリの冷静さを保って電話を終わらせた。