ビタミン剤
第37章 サンクチュアリィ
グループとして伸び悩んでいる苦悩とかを
打ち明けられたりする中で
一途な眼差しの中にある秘めた想いに気付いた。
ドラマの視聴率はさほど芳しくは無かったが
番組終了後に徐々に反響が大きくなってきて
翌年、映画化の話が持ち上がった。
もう一度あのメンツで集まれる
もう一度、翔とおなじ時間を共有できる
戸惑いと得体の知れない期待値と高揚感
ある大雨で撮影が延期になった日
ぽっかり空いた時間、翔と2人だけで過ごす
時間ができた。
俺のことが好きだと告げてきた
真剣な眼差し
俺も好きだよと伝えた
きらきら輝く瞳からこぼれ落ちた涙があまりに
きれいで愛おしくて、頬を拭って
初めて翔にキスした。
なんにも分かってなかった馬鹿だった自分
衝動を抑えきれずに感情に押し流されて
翔を組み敷いて覆い被さってた。
ほんのガキだった
後先を考えずに慾にまみれた行為
あの頃の俺にもっと2人の将来を考える力と
自分を押さえ込む理性があったなら
翔のことをあんなにも待たせたり
俺たちの関係も遠回りせずすんだのかもしれない。