ビタミン剤
第37章 サンクチュアリィ
Oside
翔の身体が敏感に反応してくれてる。
シャツ越しで摘まむ胸の突起はぷくりと膨らみ
始めて、親指ですりつぶしように弄ってやると
歯列の隙間から漏れだすかすれた吐息。
初めて身体をつなげたあの夜
咽び泣く翔を組み敷いて我を忘れる程腰を振り
夢中で貫き続けた。
奥深くを抉り痛みに泣くこいつを
労ってやることよりも自身の快楽をむさぼることを
優先していた。
気が付くと抱き潰していた
翔が真っ青な顔色で意識を失ってて
引き抜いた秘所から溢れ出た大量な精液には
血が滲んでいた。
傷つけただけの行為
おさえられなかった欲望
自責と後悔が鬩ぎ合って
付き合い始めてもこいつをしあわせにしてやれる
自信なんて何処にもなかった。
「あの頃と中身はあんま変わってねえな。
おまえを、翔を抱いてると直ぐにでも
欲しくなっちまう、マジでみっともねえ。」
自分勝手に突き放しておきながら
身体を鍛えて演技のイロハを一から学び直して
いつかこいつに相応しい男になって
迎えにいってやりたいと決意した。
片親で育って中学生で志しも無く受けた
オーディションに合格。
ただの大阪のラッキーボーイが最短デビューを
果たした。
もちろん結果は伴うはずもなくグループの
足ひっぱりな存在。
鬱々したこのやさぐれた感情が
若くして死を宣告された主人公の気持ちと
リンク出来るんじゃあって俺なりに悩みながら
主演を演じてみたけど
放映してた時の数字としてはあまりぱっとしない
情けないイマイチな結果だった。