ビタミン剤
第37章 サンクチュアリィ
そんな時にデビューして間もない
事務所の期待を背負った翔が共演者として
あらわれて
拙いながらも意欲的に、学業とアイドルを
両立しようとしてる真摯な姿勢を見せていた。
告白されて
俺らが付き合った期間はごく僅かな短い間
翔を目の前にすると、慾望が一気に擡げて
制御不能に暴走してしまう血気盛んだった
未熟な自分がいた。
かなり尖ってたあの頃の俺
にも関わらず、一途な眼差しで見つめてきてた
翔の純粋な行為を欲望の捌け口にしていた。
このまま傍に居ると
いつか、俺がこいつを翔を潰してしまう
そう強迫的に思い込んでいた。
「みっともなくないよ。
そう言ってもらえてうれしい。
俺たちの未来の為に別れようって言われた時は、
ほんとに辛くて苦しくって…
俺の身体じゃあやっぱりダメなんだって
すっごく落ち込んだけどね。」
「んなわけあるかよっ!
俺はおまえを抱いたら…歯止めが効かなくなる
のが怖かった。
おまえの身体だけに溺れそうで
距離を置いとかないと傍に居てたら毎晩でも
抱いて抱いて嵌めたおしてたと思う。」
「だから?
撮影はいったらあんなにストイックになのに、
それ以外は野獣並みだもんね
休みの日とか朝昼晩関係なくみさかないなく
襲ってくるし。」
「仕方ねぇだろ
翔と離れてた分取り戻したいんだよ。
おまえを突き放して独りきりで泣かせた分だけ
可愛がってやりたい」
他の誰かに抱かれてるのか
どんな異性と関係を持ってるのか
入ってくるうわさ話には一切耳を貸さないように
耳を塞いでた、情けなかったあの頃の馬鹿な自分
もう二度と繰り返しはしない。