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ビタミン剤

第37章 サンクチュアリィ


Oside

暖炉の火が部屋中を暖気で包んでくれている。
薪が燃え上がり、パチパチと割れる音
愛しい恋人は生まれたままの姿で俺の腕の中で
しずかに眠りについていた。
毛布に包んでやって、あたたかなぬくもりと
俺の心音を確認するかのように胸に頬寄せて
安心しきった寝顔を浮かべてる。




静寂の中
燃え上がる炎の音と翔のちいさな寝息


あの頃夢に描いていた情景
猛吹雪だろうと、暴風雨だろうと
この世の全てのいとなみから遮断されたとしても



翔と2人きりのこの場所は
俺にとっての聖域
かぎりなく楽園に近い場所

いつかおまえを
俺だけのものにしてこの隔絶された場所に
おまえを閉じ込めてしまいたいと
邪な願望が脳裏に掠めたりもしている。


理性と慾望の狭間で揺れ動きながら
おまえとむかえる朝の光を願わずにはいられない。





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