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ビタミン剤

第37章 サンクチュアリィ


「違う!1人ぼっちにしたりしねぇよ。
翔の、おまえの傍にいるとヤバいんだ。
触れたくて、ずっとおまえと繋がっていたくて。
自制心なんてまるではたらかなくなる
これ以上ムチャさせたくないから…
翔の身体もっと大事しないと…」

「…准一くん…つれてって…」


何処にも行かないで
貴方と2人きりでこのままずっとここに
それは夢のようなおとぎ話

それならせめて
覚めない夢を見させて

一晩中、准一くんとひとつに繋がり合って
どうか俺をゆさぶり続けて
ここが俺たちの楽園なんだと准一くんの
そのあまい声でささやき続けて


あの赤い橋の向こう側にある天国へ
俺たち2人で渡れたんだよって
貴方の優しい声でささやいて


准一くん
俺は貴方以外には他にはなにも望まない


だから
神様どうか今夜だけ2人を天国へ導いてください

すぐに追い返されて、追放されたっていい
准一くんと2人きりでいられるなら
荊の道さえ平坦な道のりに思える。


「翔、愛してる
もう、絶対におまえを放さない。おいで」

「…准一くん…愛してる
俺の奥深くに…准一くんを、埋め込んで
お願い…もう放さないで、貴方とひとつに…」




准一くんの悩ましい吐息

恥ずかしいくらいの喘ぎと啜り泣く声をあげながら

貴方と混ざり合ってひとつに溶け合って
あかつきの空がだんだんと白んでいき、森の鳥達が
目覚めてだして、太陽が中天に来るまで

貴方とずっとこのぬくもりを分かち合いたい。






おわり

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