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ビタミン剤

第41章 aventureはディナーの前に


長居するつもりはなかったし
撮影を見学するつもりもなかった。
差し入れだけマネージャーに預けてって考えてた
だけど、


気になるから…


頑張ってる雅紀の本気で演技してる姿や風景が
みれるとかやっぱりうれしいし




本音いうと
すこしだけでも雅紀に逢いたかった



椅子に腰掛ける女性の悲しみに寄り添う
ように手をとって慰めるシーン
貴族って手の甲にキスまでするんだ…


なんだろ、このもやもやする気持ち
胸が締め付けられるような感覚
これはただの演技でシナリオのあるお芝居
そんな事分かりきってる筈なのに



カットの声がかかり
監督さんとカメラマンさんとで確認して無事オッケーが出て休憩になった。
演者さんやスタッフさんにひと通り挨拶して雅紀の楽屋まで案内される。


「お疲れさま、雅紀」

「翔ちゃんっわざわざ来てくれてありがと」



連日早朝から深夜にかけての撮影で疲れてる
筈なのに明るい声。
目元に口元にくしゃくしゃな皺をいっぱいつくってくれる雅紀の 極上の微笑み。


ああ、この笑顔に出逢えた

優雅な立ち居振る舞いに貴族の衣装を着てるけど
中身は嵐の相葉雅紀で、
俺のたいせつな恋人の雅紀




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