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ビタミン剤

第6章 ニンニン



ブッハァァァ


冷めた酒を思わず吹き出してしまう。

確かに忍者赤影が躓いたり転んだり
運動音痴とかだったら
かなりダメダメでグダグダだろうけど。


「じゃあ手始めはバク転からかなぁ。
ウフフ、翔ちゃん来年までに
できるように、しっかり頑張ろうね。」

「ええェェ?!
あ、あのさぁ、智くん
ニュースキャスター櫻井翔での
出演じゃダメ?」

「だーめ
さあ、2人に返信しようっと。
メールありがとうございます
おいらは何時でも都合はいいです
楽しみにしてますね。ニンニン。」


「ざぁーどぉーじぃーぐぅーん!!
俺、頑張る、死ぬ気で頑張るもん。
だから寝技多めの特訓から
お願いします。」


「なにいってんだいっ!
寝技は翔ちゃんのほうがとっくに
師範代のクセに。」


あ、赤くなってる智くん。
可愛いなぁ照れちゃってるし。

アボカドサラダをパクパクと
食べだした智くんの頬がみるみる
緋色に染まっていく。

急いで食べるから、
嚥下がうまくいかずにむせ込んで
しまうかわいい智くん。

ああ、
俺の息子もパクパクもぐもぐ
美味しそうに食べて欲しいかも。



「智くん大丈夫?」

「エヘヘ、だいじよーぶ」


「あれ?このセリフ?
もしかして………このポーズ?」


鼻に親指をくっつけて手の平を
左右に動かす
ん?このポーズは!
もしかして
あの懐かしの忍者青影??


もしかしたら
来年の智くん出演作品、
シリアスラブコメディーになるのかも。



おわり


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