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ビタミン剤

第6章 ニンニン



内心ペロリと舌を出してる俺。
これマジのオフレコ情報、
あの最終回の出演は
マネージャーを介さず
実は俺が直接事務所のお偉方に
交渉したなんて、智くんには
口が裂けても言えません。

おかげで今年のオリンピックの
メインキャスターを引き受ける
ことが条件だった。

だって気になって仕方なくて
智くんの、男前の鮫島社長の
エベレスト登頂はなんとしても
阻止させたかったんだもん。


「翔ちゃんだったら
忍者赤影みたいな仮面の忍者で
出演してほしいな。
最後まで正体を現さないで
でも主人公のおいらがピンチの
ときは必ず助けてくれるみたいな
かっこいいミステリアスキャラ。」


「うんうん。
いいね、それいいよね、
仮面の忍者、赤影かぁ。
智くんのピンチを俺が必ず救い出す
すっげーサイコーじゃん。」


「アニメの忍者ハットリくんとか
じゃないからね。
CGも無しで体当たりアクションだよ。
だから今夜からみっちり鍛えて
特訓しなきゃ、ね?翔ちゃん。」


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