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ビタミン剤

第7章 人魚のナミダ




付き合ってた頃は、
とにかくマメに翔さんは毎日メール
してくれてた。
おはよう、おやすみメールは
何処にいても送ってくれてたし、
仕事の合間にも短文だけど
届いてると嬉しくてずっと画面を
眺めて癒されたこともあった。


この数ヶ月の間
シラフで自宅に帰ってたのはわずかに
数えるくらい。
毎晩のように飲み歩いてはふらふらに
なるまで呑んだりしてる。

明け方近くに帰りついて
シャワーだけ浴びて
そのまま現場入りすることも
少なくなくて、
マネージャーからの小煩いメールも
ぐっと増え、苦々しい苦言を
言われてはいるけれど、
無視するように聞き流していた。



「松潤?松潤、大丈夫?」

「…えっ…なに?」



「ぼんやりしてたし、
顔色があんまりよくないからさ。
疲れてるの?」


「いや、大丈夫。大丈夫だから。
俺ちょっとトイレ…行ってくる。」


「ほーい。」


収録が終わり翔さんは打ち合わせが
あるからと言って足早に楽屋を去った。

俺は大きく深呼吸してから
携帯を眺めて今夜の呑み相手を
探したりしてる。

なかなか相手が見つからずに
メンバーに声をかけようかなぁって
思ってた時に
マネージャーが持ってきたもの。


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