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「直人……引っ越した方が……」

未菜は化粧も落ちていて
腕や脚にはかすり傷があった。

「とにかく入れよ。話聞くから」
「カノジョに悪いからいいよ。それに
これを渡しに来ただけだから」

未菜から複雑な形をした鍵を手渡された。

「お父さんが投資用に購入したマンションの
鍵よ。すぐにでもこのアパートを出て。
じゃないと……私みたいに……」

先程の女たちの物騒な会話を思い出した。

俺がくだらないことを
頼んでしまったばかりに
未菜が酷い目に遭わされてしまった。