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きみがすき

第13章 *ジュウニ*

*大野*




「あー寒っ」

思わず独り言が出てしまう。


松潤と、ニノに別れを告げて店を出たのは、ほんの数分前。

やっぱり邪魔してたよなぁと反省中。
ごめんね松潤。



首には相葉ちゃんのマフラー。
借りといて今更だけど、相葉ちゃん寒くないかな。
他にマフラーあったのかな。

心配しつつもおかげで首は暖かい。



はぁ…

そうついたため息は、真っ白く夜空へ登っていく。つられて見上げた夜空には、キラキラと輝く月。

「満月?」
なのかな?
賑やかな道から一つ入った少し薄暗らい道を月明かりが優しく照らしてくれている。


そして思うのは

相葉ちゃんのこと。

思い出すのは、あの笑顔。

思い返すのは、あの声。

きゅうっとなる心臓。

相葉ちゃんのことを思うと、なんて言うのかな?ほっぺたや手に触れる空気は冷たいけど、体の中は暖かい感じ?



「……あいたいなぁ…」
自然と声に出てしまった言葉に自分でびっくり。

松潤がからかうからだ。

なーんて人のせいにしてみる。



『大ちゃん?』


あーもうほら、幻聴まで聴こえてきたじゃん。


って、やべ!
電車乗り遅れる!

チラリと見た腕時計の針は、思いの外時間が無いことを知らせていて、駅まで走るか。と脚を早めた…

「ぶっ!」

が、また何かに顔をぶつけて急停止。

相「わわっ!!
て?あれ?大ちゃん…だよね?」

そして頭の上から、再度相葉ちゃんの声が聴こえてきた。

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