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きみがすき

第43章 *はなよりだんご*

*大野*



季節はすっかり春
そんなある日の話

****


相「大ちゃん」


「ん…」


相「ふふ。大ちゃんてば、こんな所で寝てたら風邪引いちゃうよ?」

それは心地良い声
瞼を開ければ…

「んう…おはょ…相葉ちゃん…」


相「くふ。おはよう。床で寝て体痛くない?」


「ゆか?……あれ…?」

パチパチと瞬きをすれば、戻ってくる記憶

…そだ俺、良く晴れたしせっかくだから布団干して…

「あ…」

俺の体の下には、その布団
春の暖かな日光を存分に取り込んだ布団は
もぉ…素晴らしくモコモコのフワフワで

思わず、ばふっ♪っと抱き付いた


……までは思い出した
その後は…
記憶が消えてるぞ(←寝ちゃったから)


相「気持ち良く寝てたのにごめんね。でも2時間経つし、体が痛くなっちゃうかなぁって」

ベランダに足を投げ出したまま寝転がる俺に、しゃがみこんで笑う相葉ちゃん。



……え?
「2時間?」


相「2時間。」


「2時間??」


相「2時間。」


「っ!ごめんっ!出掛けるのに!」
眠気なんて一気に明後日に吹き飛んで、俺は がばっ!と体を起こした。

そう。今日は最高のお花見日和。珍しく俺の休みと相葉ちゃんの休みが重なって、午後からお花見行こうねって…

相「つっかまーえたぁ♪♪」

「へ?っ!」

起きた瞬間、相葉ちゃんの腕の中へと連れ込まれた。

相「大ちゃんの体ぽっかぽかぁ。お日様の香りがする♪」
そして、すぅ。と空気を吸い込むと共に、ぎゅぅ。と抱き締められた。

微かな視界から見えた壁掛け時計。


首元に触れる相葉ちゃんのさらさらの髪の毛に
柔らかい唇…
俺も、背中へと手を伸ばし…

「って!伸ばすか!」

相「わ!耳元びっくりぃ。どうしたの?」
俺の声に離れた体

「15分じゃん!」
何が2時間だっ

相「あ、バレた?ごめんごめん♪でも寝ちゃったのは本当だし?」

…っそーだけど!
「そもそも誰のせいで眠いと…!」
いつもの様にからかわれた俺は、昨夜の件で反撃しようとしたけど…

相「責任取る」

「え?わっ」

ドサッ…
また布団へと戻され

相「いただきます♪」

「! なっんでそ…んっ……ぁ………ふぁ…」


あっという間に蕩けちゃう ずるいキス

あぁもぉ…
花より 桜より…



きみがいい



*おわり*

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