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きみがすき

第5章 *ヨン*



「智くん、帰るよ。」
そろそろいいかなと、智くんに声をかける。

大「あー。翔くんどこに行ってたんだよー。」と口をへの字に曲げる智くん。

はいはい。可愛いよ。まったく。

「松本くん。お店の中でも、外でも騒いでしまってごめんなさい。俺が飲ませ過ぎちゃって。普段はもっとまともだからさ、この人。料理も美味しくて、素敵なお店だと思ったのはホント。素面でも嘘つけない人だけど、酔うとホントのことしか言わないから。
松本くんが嫌じゃなかったら、また来てもいいかな?」


松「……お客さんが来てくれるのはありがたいです。また、是非来てください。」と、視線を外し少し照れたような拗ねたような顔で答える。

「ありがとう。

あと、そろそろ離してあげたら?彼。」


松「…え?

あ!かずっ!ごめんっ!」
と抱き締めてた?羽交い締めにしてた?二宮くんを慌てて離す。

ニ「ぷはっ!…はっ苦しっ!

潤くん!途中から俺の存在忘れたでしょ!」

松「え?やー…。そんなわけないじゃん?」
と、右斜め上を見て答える。

ニ「信じらんない。」

松「いや、違うんだって。
この大野さんって人が、全然違うこと話し出すから…」

二「ほら、やっぱり忘れてたってことじゃん!」

松「ちげーよ。怒んなよ。そんなことで。」

二「はぁ逆ギレ?」


うん。犬も食わない痴話喧嘩。

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