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魔王「勇者討伐の旅に出る」

第3章 隊商

用心棒「…彼らと、何か?」

商人「いや……」

商人「……ない。何もないよ」

商人「私の思い過ごしさ。職業柄、疑り深くっていけないねえ」

商人「巷で妙な話を聞いちまったもんでね。それでちょっとつまらない気分なのさ」

用心棒「ほう?妙な話…」

商人「いやなに、伝説の魔王が復活しただのなんだのっつう話のさ。アンタだって知ってるだろう?」

用心棒「ええ、ええ。近頃耳にしましたが…まことの事なのかどうか。所詮はこの北部の僻地で出回ってる話ですからねえ」

商人「うん。こっちっだってバカじゃあない。どうせそこいらの武器商かなんかが、商いに困った挙句苦し紛れにばら撒いた真っ赤な嘘だと思っていたんだがねえ」

商人「どうにも、道中の『赤道の村』で、聞いた話によると、その魔王ってのが、「漆黒のマントに煌めく石を散りばめ、背中に大剣を背負ってる」っていうの さ」

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