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第9章 悪夢の実像

〃いたい…こわい…いやだ…こわいよ〃

『~…コレじゃ…もう外には出られないね』

セイゴが一息つくかのように
アイルの身体に頬をつけて顔をうずめる

生温かい舌にアイルが身震いした


『~っう…ぃゃ…や…だ…っ』

〃キモチワルイ……〃


『アイルがいけないんだ。
良い子にしてれば、こんなことせずに
すぐに帰してあげたのに…』

そう言うとポケットから何かを取り出し
キャップを外してアイルの顔に近づいた



『んっ…ぅ…っ…』

〃たす………けて〃




『じっとして…。動かないで』

セイゴがアイルの頬を押さえつけて
唇にそれを塗りつけると
アイルの唇が紅く染まった



『白くて本当にイヤらしい体してるなお前…。
やっぱり…アイルはすごく化粧栄えするね
イヤらしくて すごく良い眺めだよ』



セイゴが口紅を放り投げる

アイルの身体にイタズラをして
満足げにアイルを見下ろすと

セイゴが両手でアイルの胸を掴んで
執拗に揉みはじめた


『~んっ~~っっ!!』

〃キモチワルイ…いやだ…キモチワルイ〃


『あの、アイルを匿ってる彼氏には…
毎日こうしてもらってる…?クククク』

『…っっ!?~…っ』



『あの彼は…アイルの昔話は知ってるの?…
知るワケないか…
素性を隠して彼氏を作ったりして
アイルは中々太々しくなったね?…』

『……』

〃りょう…き…〃



『この手が何をしたかも知らずにいるのか?』

『アイルは何食わぬ顔して
毎晩彼に股開いてるワケ?』

『彼は夢にも思わないだろうねぇ
虫も殺さないような顔した彼女がまさか…
フフフフッ。おぞましい話だなアイル~?』

『知った瞬間の彼の顔をみてみたいね?クフッ
フフフフッ。どんな顔するんだろうなぁ?』


アイルの目から
じっとこらえていた涙が
ドバドバと溢れだす

セイゴの言葉にではない


〃リョウキ…リョウキ…〃


目の前の狂った男の…常軌を逸した行為より
執拗に投げかけられる気味の悪い言葉の数々より

リョウキの名前…
浮かんだリョウキの顔に
アイルの感情が爆発する


とてつもない恐怖心一色の中から
混じって湧き出てくるのは
リョウキに対する罪悪感


〃リョウキ…リョウキどこにいるの?

…リョウキ…会いたい

リョウキ…ごめんね…

ごめんね……リョウキ〃

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