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Best name

第2章 ピュアな世界

あれから一週間程経っただろうか
オレは変わらず平凡な毎日を送っていた
いつも通りに仕事して一人マンションに帰る。

ワタルと行ったあのバーが少し頭に浮かんだ
金曜か…飲みにでも行くか。

一人は本当に楽でイイ
すっかり一人身を楽しんでいた。
徒歩圏内にあるあのバーへ行きドアを開ける。

『いらっしゃいマセ~』

カン高い声でカウンターから出迎えたのは
あのミカだった。

カウンター席でテキトーに酒をあおる
15畳ほどのフロアを軽く見わたした。

……Tシャツにミニスカ
うさぎコスの女の子が3人程
フロアを往き来している

…やはりいないか。

少し…落胆した自分に気付く。
ミカに話を振った。

『なんだっけ?あの子…クス
やっぱ来なかったの?』

『~あぁ…アイのこと?
うんブチられちゃいました;。
まぁわかってたから。…呼びます~?
あ、フツーにだけど。仕事終わってると思うし~』


『クスクス、いや結構。
ミカちゃんと飲んでる方がイイから』

酒が進んでミカをテキトーにおだてて
話をごまかした。

フツー呼ばないだろう怒らせたんなら。
ミカは中々厚かましい小悪魔タイプだ。
元カノに少し似てる。

『アイはね~
あんま自分のこと話さないからなぁ~』

聞いてもないがミカが勝手に喋ってくれた。

だが情報は薄く少ない。…仕事と言ったか。
働いてるのなら彼女は学生ではなさそうだ。
二時間ほど飲んで店を出た。


…なんでオレ…何気に探り入れてる…?


土曜の朝、目覚めると少し体がダルい。
別に深酒してないし弱い方でもない。

年か…?
いや、運動不足。
オレはスポーツを色々やっていたから
体がナマるとどうも不調になる。
今日は体を少しほぐすとしよう。

近所をかるくランニングして汗を流し
着替えて出掛ける。

大学の仲間や同期は年々所帯持ちが増え
つれないやつが多いのは仕方がない。
オレは悠々自適に独身生活を桜花していた。

メシでも食おうか
街の方へ足を進める。

春の陽射しが程よく心地いい
整体…美容室…色々と並ぶ商店街に入った。

ペットショップ…?
ここではオレの用事は足らなそうだ
さっさと抜けようとする。

ペットショップの前で
せっせと…掃除してるのだろうか
オデコの汗を拭う女の子が不意に目に入った。
細身のデニムパンツにTシャツ。

…似てないか?

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